年末、2019年12月28日(土曜日)早朝、すごいニュースが飛び込んできました。
来年度早々に、大麻製剤の治験が沖縄で始まる、という歴史的なお知らせです。
目次
CBD治験とも言える?大麻製剤治験とはなんなのか?
年の瀬になり、いよいよCBDを中心としている大麻成分を含む治療薬が、難治癲癇(てんかん)、レノックス・ガストー症候群、ドラベ症候群の患者へ向けての、治験が行われることが発表されました。
薬に大麻成分 国内初の治験見通し 難治てんかん治療で沖縄赤十字病院
年末の仕事最終日である、12月28日(土曜日)の早朝すごいニュースが目に入り、飛び起きました!
2020年に向けて、お伝えしなければならないと思い、急遽まとめました。
こちらの写真にいらっしゃる左から三番目、青いシャツを着てメガネをかけた髪の短い男性は公明党の秋野議員です。
私は先に言っておくと特定の宗教団体についての支持は全くないのですが、事実この方は厚生労働事務次官に対して、医療大麻の道筋をつけようと努力してくれています。
アントニオ猪木議員も議会に参加されています。
お手隙でご覧いただきたい討論です。
難治性てんかんのレノックス・ガストー症候群と、ドラべ症候群とはどういう病気なのか?
少なくない数の子供たちが世界中で罹患する
その中でもレノックス・ガストー症候群とドラべ症候群は、難治性
レノックス・ガストー症候群は、
- 複数の筋肉群が同時に素早く収縮するミオクロニー発作
- 30分以上痙攣の発作が続くことをいうてんかん重積
- 脱力発作などが覚醒状態の時に起きます。
特に怖いのは脱力発作で、急に筋肉の緊張がなくなってしまって、倒れてしまったりすることがある症状です。
このため、頭を強く打ってしまうことがあり、もちろん頭を強打すると、さらに症状が悪化することがあるので、ヘッドギアを装着して頭を守ることが必須になるのです。
さらには睡眠時に、強直発作(口を固く強く食いしばってしまい、呼吸が止まったり、手足を伸ばした格好で全身を硬くしていってしまいます。数秒〜数十秒間持続してしまう)を起こしてしまうことがあり、これが一晩に何度も起きることがあり、長い場合で、数ヶ月同症状が続くことがあります。
ドラベ症候群はまさに、ミオクロニーてんかんとも呼ばれる病気なので、痙攣が頻出する てんかん です。
お風呂に入った後や、体温の上昇や光、さらには目に入る特定の模様にも、発作を引き起こされることもある難病です。
2万人から4万人に1人の割合で発症するのですが、人数が大きく前後するのは、発作の大きさが人によって様々なためで、気がつかない家庭も少なくないからだと思われます。
双方とも症状を抑えるための薬が、大量に処方される。
バルプロ酸やベンゾジアゼピン系薬剤(クロバザムやニトラゼパム)を使う薬がたくさん処方されます。
実際にご相談を受けている家庭では30種類を超えていて、1日中必ず決まった量を与えなければならないのです。
また発作を抑えるためには、ダイアップ(座薬)やエスクレ注腸液(お尻から入れる中枢神経抑制剤)を用意して、保護者の方が対応しなければなりません。
当然、起きている時間だけではなく、睡眠時であれ必要になるのです。
お子様を育てたことがある世のお母様には、夜泣きの期間が十数年続く。と考えればわかりやすいでしょうか。
いくら寝不足でも、薬を絶対に間違えずに与えなければならないのです。
大麻製剤やカンナビスオイルに求められていることは?
2013年にCBD多めのカンナビスオイルを使った女の子シャーロット・フィギーを追った、CNNで放映のWeedという番組で、全米にカンナビス由来のCBDオイルを求める声が爆発的に広がりました。
シャーロット・フィギー が生んだ CBD 文化
シャーロット・フィギーをご存知でしょうか? 今日のVMC VapeMania CBD Dispensary があるのは、彼女のおかげです。 私は会ったこともない彼女の存在を、一生忘れることはありません ...
CNNとは、日本でおなじみ映画会社のワーナー・ブラザースなどを運営するワーナーが親会社の、全米初の24時間ニュース放送を始めたケーブルテレビ向けの放送局です。
アメリカだけで1億世帯が視聴可能で、国際放送部門では、日本を含む200以上の国と地域で放送が見られる、世界最大級のニュースチャンネルです。
現在もYoutubeにおいて、Weed 日本語字幕版がご覧になれます。
必見です。
カンナビスのゴッドファーザー Raphael Mechoulam博士は1980年台初頭に、ブラジルで てんかん に罹った子供向けに カンナビス オイル および、CBD オイル を使った臨床試験を実施しており、安全性やその効果について、この時点でしっかりと判明させていました。
彼は、
政府や医療界で、このときこの事実をもっと広めていれば、35年の間にどれだけの尊い命が助けられたのか。
35年経過して突然、メディアがとりあげて(上記紹介のCNN WEED)からCBD は突然流行した。
と、自身のドキュメンタリー映画 The Sicentistの中で語っています。
そもそも 治験とはなんなのか?
薬が作られて、実際に処方されるまでには基本的に、途方もない時間が必要になります。
手順として、
- 数年かけて基礎研究がなされる。基礎研究とは薬の元になる物質をくまなく探し続ける研究のことです。
- 創薬 / 開発研究。実際にその物質を薬物にする研究です、ここで動物や細胞を使って毒性などの検査がされます。
- 臨床試験、この初期段階に一般的に言われる治験、がありますが、臨床試験は治験とイコールです。
今回の治験は、上記記事に詳細は書いてありませんが、沖縄県内に100人以上の患者がいる、とのことから、下記の第Ⅱ層試験の期待が持てます。
臨床試験の三段階
- 第I層試験、健康体の治験希望者(アルバイト求人がある。)などに投与すること。
- 第Ⅱ層試験、少人数の患者にて投与。副作用の確認などがされます。
- 第Ⅲ層試験、多数の患者に投与。プラセボとの比較などがなされる。
私たちが普段使っている薬でも、基本的には全て、治験が行われて最終的に厚労省の審査に通って、薬 になります。
厚生労働大臣官房森審議官が国会において、第Ⅲ層試験中、あるいは第Ⅱ層試験を通したものは大麻製剤でも治験が可能か、という質問に対して、
「大麻製剤であっても、GCP(Good Clinical Practice)基準で安全性が認められていれば、日本でも治験が可能。」
と答えていたのはこのことになります。
GCPとは、国際的に合意された臨床試験の実施に関する基準を作っており、また、治験を実施する医療機関、それに関わる人員の役割および業務を詳細に設定している。
アメリカでの治験が行われている大麻製剤。
主にイギリスの製薬会社、GWファーマシューティカルズが製造している大麻製剤の薬になります。
エピディオレックス(epidhiolex)は第Ⅲ層試験が終わっていて、THCとCBDが1:1の配合の大麻製剤 ナビキシモルス 商標名:サティベックス(SATIVEX)に関しては、第Ⅱ層試験が終わっています。
なお、サティベックスは2007年2月に、大塚製薬が、米国における開発・販売に関するライセンス契約を結んでいます。
CBDを多量に含む 難治 てんかん 治療薬 エピディオレックス
エピディオレックスは現在、EUにおいて、現在欧州医薬品庁(European Medicines Agency 通称:EMC)にて、今年の9月に処方薬と承認されてました。
また、アメリカでは2018年に医薬品として承認され同年9月に規制物質法にて、大麻製剤としてこれまでの中では最も乱用性が低く、また医学的用途があるものとしての評価が高いスケジュールVに指定されました。
(天然の大麻草は未だ、スケジュールI、合成THC医薬品の制吐剤である、マリノールはスケジュールIII )
エピディオレックスはこちらのブログでも、2018年夏にご紹介しております。
クスリから薬へ!FDA が大麻由来の治療薬「エピディオレックス」を初承認
yuge新時代の幕開け! カナダで大麻が合法化になったり、WHO(世界保健機関)が大麻の規制の見直しを訴えたり、大麻は今、激動の時代を迎えています。 そんな折、FDA(米食品医薬品局)が大麻由来の成分 ...
CBDといえば
欧米の流れを受けて、日本てんかん協会はエピディオレックスの医薬品承認の要望書を、日本てんかん学会・日本小児神経学会・ドラベ症候群患者家族会と連盟で提出していたニュースが今年の9月でしたので(EMCが承認する直前)、年末にこのニュースが出た時には誤魔化し続けてきた大麻との向き合いが初めてなされたと、鳥肌が立ちました。
そしてついに、2022年9月29日に厚労省が医療大麻解禁を発表。
医療大麻解禁を厚労省が発表 。日本の医療大麻とは?
2022年9月29日(木曜日)、Yahooニューストップ、テレビ朝日、TBSが医療大麻解禁を報道しました。 海外からはロイターも。 VapeManiaでは、過去何年にも渡って医療大麻について発信。 2 ...
近く、本格的な治験が始まることが予測されます。
まとめ
2019年末に心から喜ばしいニュースでした。
しかし、今のところ具体的な動きはまだ見えていません。
でしたが!2022年9月29日、ついに厚労省が医療大麻解禁を発表しました。
今なおセンシティブな扱いを受けているCBDオイル/カンナビスオイル。
高い安全性がある事は、たくさんのエビデンスが示しています。
医師や研究者が難病である
小さい子供に症状が出る
保護者は数年から十数年と対応し続けなければなりません。
病気そのものでもお亡くなりになってしまうことも勿論ありますし、薬の副作用でも亡くなってしまうことがあります。
CBDについて言えば、1500mgを慢性的に毎日摂取しても安全性・耐容性があることが示されています。
CBD オイルの正しい摂取方法と適切な摂取量
yugeどうも、CBD アドバイザーの Yuge です♪ CBD オイルの認知度が高まっていくにつれて、摂取方法について聞かれることが多くなってきました。 はじめて摂取するものだからこそ取り入れ方がわ ...
これまでの関連ニュースのなかでも、最も興奮しました。
どうか多くの患者とそのご家族へ、手元に届くことを心底願っております。