頭が良くなるカンナビノイドがあったら、どうでしょう?気になりませんか?
CBC(cannabichromene / カンナビクロメン) は脳機能の改善が見込まれる可能性を持つ、メジャーカンナビノイドの一つです。
カンナビノイドの場合には、メジャーであってもCBDとTHC以外は基本的にレアカンナビノイドの括りになります。
CBCも例外ではありません。
CBCの発見から57年。
いよいよ安全性の高さが複数示され始め、21世紀に入り興味深い研究結果が見出されています。
日本でも流通が増えはじめ、アントラージュ効果に欠かせないものとして注目のカンナビノイドです。
目次
CBCとはどんなカンナビノイド?
CBCは1966年に、Raphael Mechoulam博士とYechiel Gaoni博士がイスラエルのワインツマン研究所で分離抽出。
ほぼ同時に、Claussen博士らによっても単利抽出されました。
ちなみにCBCの前駆体(物質が生成する前の段階の物質)CBCaに至っては、正山 征洋先生(現九州大学薬学部、長崎国際大学薬学部名誉教授)方によって単利抽出。先生は2022年現在現役です。
CBCは、陶酔作用なく脳への働きかけが確認されています。
他にも神経保護作用に抗炎症作用。
抗菌作用、肌へのケアにも期待されている点などのメディカル研究が積極的に行われ始めているカンナビノイドです。
CBDのようにHEMPから多量に摂れません。
しかしながら、CBDやお馴染みCBN・CBGなどと並ぶBIG6のうちのひとつに数えられます。
カンナビノイドBIG6のうちの一つ
ヘンプに含まれる植物性カンナビノイドは、150種超に対して名前がついております。
その中でも研究対象として医療的効果を深掘りされている6種のカンナビノイドを、BIG6 Cannabinoidsと呼んだりします。
これまで、BIG6と呼ばれるカンナビノイドはCBCを除いて全てご紹介してきました。
CBCは体内でどのような働きかけがあるのか、ご紹介します。
頭を良くしてしまうかもしれない働き
頭がよくなるかもしれない可能性は、動物実験で判明しました。
2013年のマウスを使った研究では、CBCは健康な脳機能に不可欠な細胞である神経幹前駆細胞 (neural stem progenitor cells / 以下、NSPC)にプラスの効果 をもたらしました。
この時、CBDやCBGでもテストをしましたが良好な結果が出たのはCBCのみ。
これは、NSPCが脳の恒常性を維持するために細胞へ分化した際の生存率を上げます。
それによって、脳の健康状態が良くなっちゃう可能性があるのです。
頭に良いカンナビノイドとなるならばと、知る人ぞ知るカンナビノイドとして人気が高まっています。
ただし、まだそういった可能性があるという段階です。
レアカンナビノイドである点や、副作用がないかなどが確認できた上で人へのテストに繋がっていくことに期待しましょう。
お肌が気になる方へもいい情報が。
にきび抑制
CBCには、他のフィトカンナビノイド(CBDやCBDV・THCVなど)同様ににきび抑制に役立つ高い可能性を持っています。
にきびには様々な原因がありますが、過剰に産生された皮脂が毛穴から出ないことによる炎症。
毛穴から出られない皮脂はアクネ菌を増殖させて、にきびを腫れ上がらせてしまいます。
CBCはこの原因に対して、ポジティブな結果を示しました。
まず、CBCは皮脂の脂質合成を阻害。過剰な皮脂産生を防いでくれる可能性があります。
さらにアラキドン酸による、脂質生成をも防ぐことがわかりました。
しかも、CBC以外のCBDやTHCV・CBDVなどでも抗炎症作用や脂質生成を防ぐことが判明。
それぞれのカンナビノイドを上手に組み合わせた肌に優しいトピカルが登場する日も近いかもしれません。
精神への働きはどうでしょうか?
抗うつ作用
CBDをはじめとしたカンナビノイドの抗うつ作用には、期待を感じています。
様々なカンナビノイドてマウスにテストした結果、CBCが抗うつ作用を示していました。
これは、CBDやTHCと同様です。
CBCを他のカンナビノイドと同時に使うことでアントラージュ効果があるのか?については、大きなヒントがありました。
抗腫瘍特性
いずれも陶酔作用のない、CBDやCBGおよびCBCはそれぞれが強力な抗腫瘍作用を示しました。
このテストでは、天然のカンナビノイドを使ってのテストでCBDに次いでCBGとCBCが強力な作用を示したことが判明。
腫瘍の成長を阻害しました。
さらにこの論文では、CBDaやCBNなどの他のカンナビノイドとの組み合わせが望ましいとしています。
現在試験管でのテストのみ
以前よりTHCの抗腫瘍効果が高いことはわかっていますが、陶酔作用の強さから(陶酔作用がない)他のカンナビノイドも研究されています。
世界中至る所で処方箋になっている天然由来のカンナビノイド製EpidiolexやSATIVEXを作った、GWファーマ(現 JAZZファーマ)が率先してテスト。
臨床試験がされる日も遠くないことが予想されます。
抗炎症効果
CBCには抗炎症効果にも期待がされています。
例えばリウマチの原因になると言われている、過剰産生されることで原因になると言われるIL-6(インターロイキン-6)。
様々なカンナビノイドでテストされた中で、CBCが最もIL-6の産生を抑えた結果が出ています。
さらに、THCとCBCの組み合わせでは、より強力な抗炎症効果を示しました。
CBC自体がTHCのCB1受容体へのアンタゴニスト活性などを示すものの効果を阻害することなく、抗炎症作用を増強させたとあります。
THCへの働きを、CBCがアントラージュ効果で増強。
また、CBCの本来持っている抗炎症作用が陶酔作用を引き起こさないレベルでのTHCで増強されたことも示されています。
抗炎症の次には、日本人女性の多くが悩む偏頭痛についてさらに深掘りました。
CBCの偏頭痛緩和の可能性
CBCに限らず、偏頭痛に対するカンナビノイドの有効性についての研究は日々行われています。
その中で、CBCが偏頭痛に効くかもしれないと推察される研究もあります。
CBCが頭痛に効くと考えられる作用機序
こちらのテストでは、CBCは薬物吸収を妨げずに偏頭痛に関わる受容体へ働きかけることがわかりました。
CBCが抗炎症作用や神経保護作用を示すことを前提として、脳や中枢神経までCBCが届くのを確認したのがこちらのテストです。
細胞膜を越えて物質を輸送するためのタンパク質、ABCトランスポーター。
ABCトランスポーターには数多くの種類があり、細菌などの異物・医薬品や化学物質などの代謝産物を排出する働きがあります。
CBCは、その中のABCG2トランスポーターによって輸送されることが確認されました。
この結果から、CBCは脳や中枢神経系に到達するためにはABCG2トランスポーターを介して輸送される可能性があると考えられています。
将来的には、CBCを脳や中枢神経に働きかけられる治療薬とし仮定した基礎研究に役立ちそうです。
頭痛改善の根拠
CBCはアナンダミド(AEA)を上昇させて、痛みの軽減に役立つ可能性が証明されています。
このテストでは、ラットのPAG(水道周囲灰白質)と呼ばれる脳の深部にある神経回路の一部に直接CBCとCBDを投入しました。
PAGは、痛みやストレスの制御にも関与している脳の深部にある神経回路の一部です。
PAG内でアナンダミド(AEA)と2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)2つの内因性カンナビノイドは、痛みやストレスの制御に関与しています。
CBDは2-AGを2.6倍有意に上昇させましたが、AEAレベルは上昇させませんでした。
CBCは2-AGレベルをほぼ3.9倍、AEAレベルをほぼ1.7倍大幅に上昇させました。
AEAが、PAGに存在するCB1受容体に結合することで、鎮痛作用を発揮することが知られています。
PAG内のAEAが増加し、CB1受容体への結合により痛みが緩和します。
CBCによる、エンドカンナビノイドが増加することで偏頭痛の鎮痛作用の期待がもたれます。
まとめ
CBCは陶酔作用が無く、脳内への様々な働きが期待出来ることがわかる主要BIG6カンナビノイドのひとつです。
CBCの頭が良くなるような働きはまだまだ研究の余地が必要で、より仔細に判明したら嬉しいところ。
他にも、抗炎症作用やニキビの抑制。
抗うつ作用、抗腫瘍などの生理学的作用が次々報告されていることがわかりました。
アントラージュ効果には欠かせないカンナビノイドなのではないか?と考えられる他のカンナビノイドの薬効増強効果も判明。
日本人の30代〜40代で有病率急激にが高まる偏頭痛にも、CBCは大きく期待が持てそうな研究もあります。
とはいえCBCは、THCやCBDと比較して極少量しか含まれていません。
そのため、詳細な研究は限られています。
まれにTHCが少ない品種の場合にはCBCを多く含む品種があるようなので、期待です。
CBCが持つ潜在的な健康上の利点に関する研究は今後も増加することでしょう。