現在、日本では禁止薬物に指定されています。過去記事であることをご理解した上でご覧ください。
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今アメリカでひっそりと熱を帯びているカンナビノイドHHC。
他にもアメリカでは現在、
また
つまり、アメリカ合衆国法で違法とされるΔ9-THCに変わるカンナビノイドを業者がこぞって探しているというのが本音で、その中の一つとしてHHCは製品化され既に当地では市販され始めています。
HHCとはどんなカンナビノイド?違法か合法か?
まずHHCはヘキサヒドロカンナビノールとの略で、HHCはTHCの水素化(半合成)形態。
水素化とは、化合物に水素原子が付加する還元反応のことを指します。
通常化合物は触媒(特定の化学反応の反応速度を速める物質、パラジウムや白金)によって水素化。
このHHCはTHCの最も安定した形態と表現されます。
その理由は熱や紫外線に耐性があり、THCよりも大幅に長い貯蔵寿命があるため。
ではこのHHC、日本でも合法的に使えるのでしょうか?
確認されるのは10種類
HHC(Hexahydrocannabinol)として確認が出来るのは以下の10種類。
- HHC — Hexahydrocannabinol (CAS# 6692-85-9)
- 9α-OH-HHC — 9α-hydroxyhexahydrocannabinol (CAS# 52171-85-4)
- 7-OH-HHC — 7-hydroxyhexahydrocannabinol (CAS 64663-39-4)
- 8-OH-iso-HHC — 8-hydroxy-iso-hexahydrocannabinol (CAS#なし)
- 7-9α-OH-HHC — 7-oxo-9α-hydroxyhexahydrocannabinol (CAS#なし)
- 10α-OH-HHC — 10α-hydroxyhexahydrocannabinol (CAS#なし)
- 10α-ROH-HHC — 10aR-hydroxyhexahydrocannabinol (CAS#なし)
- HU211 — 1,1-Dimethylheptyl-11-hydroxytetrahydrocannabinol (CAS 112924-45-5)
- HU243 — 11-Hydroxy-3-(1′,1′-dimethylheptyl)hexahydrocannabinol (CAS 140835-14-9)
- HDHHC — 3-Dimethylheptyl-11-hydroxyhexahydrocannabinol (CAS 140835-18-3)
※CAS#とは、CAS(Chemical Abstracts Service) registry numberのことで、化学物質を特定するための番号のこと。
それぞれの化学式での検索や、CAS#と法律を掛けわせての検索で、違法性があるかどうかの情報は見当たりません。
現状麻薬取締法などでの法的取締は無いものと考えられますが、ビジネスにするには用心した方が賢明です。
またアメリカには連邦類似体法といった法律があるようで、HHCを指し、すでに違法に出来る状態かもしれないとされます。
リサーチの結果、一つの論文でHHCについては国連の向精神薬に関する条約スケジュールⅠに登録されているという文面が確認されましたが、国連サイトでは裏が取れませんでした。
HHCのメリットは?
HHCの安全性が確認されれば、現在進化が著しい北米のラボで既に量産は可能なようですが、どんなメリットがあるのでしょうか?
一つには痛み止め。
ベータHHCが麻薬性鎮痛薬といくつかの特性を共有している可能性がある(1977年)との前向きな論文がなんと42年前にあがっています。
次に、動物のテストにおいて。
HHC類似体※の合成カンナビノイドLYR-8は、CB1受容体に直接作用せずHighにならない。腫瘍治療薬との比較テストが行われ、悪性細胞のアポトーシス(細胞死)や血管新生を防ぐことが確認されております。
実を言うと、Hydroxyhexahydrocannabinolとしての論文は、現代では殆ど見当たりません。
これも、CBDや現在のΔ8-THCと同様、学術的研究より
例えばCBD。今ではCBDの論文が1日に3つ以上掲載されるほど研究されるようになりましたが、ブームはその6年以上前で処方箋になる数年前。
また、(研究するのにも法律の壁が高い)Δ9-THCの水素化されたカンナビノイドである事。
国連の向精神薬に関する条約での観点等から、精神作用が無い類似体でのテストがなされている点。
以上のような理由から、HHCそのものの研究が進んでいないと考えられます。
さらに日本へ目を向けてみましょう。
CBD関連メディアや製品として登場していません。それは、殆ど存在の確認が取れないレアカンナビノイドであるからというのが一つ。
現在の所アメリカですら現在3社の取り扱いのみで、量産されていないからであること。
日本で取り扱いが出来るかどうかがまだ不明であること等が要因です。(問題ないようです。)
※類似体...ある化合物と分子生物学的な性質や構造が類似しているが、ある化合物の原子または原子団が別の原子または原子団と置換された組成を持つ別の化合物のこと。
HHCは危険なのか?
現在研究が進んでないという大前提があるものの、危険であることを示すエビデンスはありません。
もう一点は、Δ9-THCについての議論と重ねてみるとわかりやすくなります。
CB1受容体に結合することによる、陶酔作用を危険とするか否か。
上記類似体LYR-8がHighにならない点や、精神作用が弱く陶酔作用のないCBNについての研究が深まっているのは、THCの陶酔作用が一部で忌避されていることと考えて間違いないでしょう。
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HHCの未来
法的な問題や研究が進んでいない点。
また市場も醸成していないこと等から、日本に輸入され市場に出回るのには少なくとも1年。
それ以降の未来は北米の動向に着目し、必要性が高まってくることを条件として世間に広まるものと思われます。
それはどういった場合でしょう?必要性が高まる流れになるポイントをまとめてみました。
HHCの特異なメリットが見つかる
現在HHCが潜在的に、あるいは研究されているポイントは下記の通り。
- 慢性的な痛みに役立つ可能性
- 炎症を軽減する可能性
- 快適な睡眠を促進する可能性
- 制吐作用の可能性
- 不安を和らげる可能性
それぞれ他のカンナビノイドでも見られる利点です。
5つのメリットが他のカンナビノイドや製薬より大きな結果を示したりすること。
また6つ目7つ目と、特別なメリットが出てくること。
それにより深く広く研究されていくことになり、世界の市場や製薬会社に広まっていくことになるでしょう。
次のポイントはやはり法的な観点です。
法的立ち位置がハッキリとする
アメリカや一部の地域では、Cannabisの使用について検査されることがあります。
Cannabis自体が法的には問題のない地域でも、国家的に禁止されていることで会社で禁止されている場合などは尿検査を求められたりすることがあります。
また車の運転をしていて、呼気検査を求められる事もあります。
現在の所、HHCを摂取して尿検査が陽性になるのかどうかは不明。
少ない販売店に寄せられたレビューを入手したところによると、陰性反応が出た旨のレビューも見られました。
(This HHC products is over the past 3 full days I passed several THC urine drug screens... このHHC製品は、過去3日間で、いくつかのTHC尿中薬物検査に合格)
HHCに限らずアメリカの法的立ち位置は、これからの未来に大きな変革をもたらします。
バイデンはどうやら公約を裏切り、規制物質法スケジュールⅠからの撤廃はまだ難しそうです。
しかし、研究のルールなどは緩和され始めています。
HHCも、CBDやCBG・CBN等他のカンナビノイド同様近い未来使えるようになるかも知れません。
余談ですが私はCBDを大量に持っていて、この日本で尿検査を求められたことがあります。
CBDで尿検査を求められても断れるし捕まったりもしない
昨今、有名ミュージシャンが大麻所持で捕まって謝罪させられたりしています。 毎年ですかね。 ほとんどの州で合法化や非犯罪化されているアメリカでは、2018年までの10年間で700万人が大麻関連で逮捕され ...
お伝えしておくと、当然拒否して構いません。
ブログにもあるように、しつこいこともあります。
2時間経過した時点で任意捜査の許容範囲を超えていたことが違法とされた判例(2009年東京地裁)があり、それを論拠に立ち去っていいでしょう。
まとめ
カンナビノイドは
私達全ての人類に備わっているエンドカンナビノイド同様のものがHEMPに間違いなく100種以上存在し、最も研究されているCBDですらその極致はまだ見えません。
まだ試してみたこともないHHCに興味を強く持ったのは、何よりΔ9-THCの水素化したものという特性と、ミクロの市場が動き始めたからでした。
今の所HHCは、Cannabisの代わりに使われていることが多いように見受けられます。
カンナビノイドにおいては、コレまでも小さな市場の動きが世界にビックバンを与えてきました。
これから情報が更新され次第、この記事にも追記していく予定です。