ウェルネスには今、砂糖や一部の糖類を摂らないのが当たり前と言った風潮があります。
それなのになぜCBDカプセルよりもCBDグミが売れるのか?
オイルの苦味が不得手な方であれば、カプセルを推奨することもあります。
その場合でもCBDグミを選ばれる割合が高い。
様々な理由があると思いますが、ひとつ仮説を立てました。
甘みが脳にもたらす影響と、CBDのシナジー効果があるのでは?
調べてみると、甘みが脳にもたらす影響を最も強く反映させる物質ドーパミンとCBDの働きに関係が見えてきました。
更にその働きは、内因性カンナビノイド(エンドカンナビノイド)にも関係していたのです。
目次
どうしてCBDグミは人気なのか?CBDとドーパミンとの関係を探る
CBDグミは幅広い世代に根強い人気です。
2021年12月現在、最新のグミといえばこちら。
Ninja We Made It. x VapeMania CBDグミ は究極の商品
VapeManiaはNinja We Made It.とコラボレーションし、CBDグミの販売を開始しました。 今回はレアカンナビノイドがどこよりも豊富に含有されているものの、誰にでもお手に取っていただ ...
あっという間に完売し、少しずつレビューも届いています。
このように再販の声が高まっていますが、それはこれまでのカンナビノイド濃度を遥かに超越したからに他なりません。
グミを作る際には、一気にカンナビノイドを入れて分割。
そのため、カンナビノイドの濃度には若干のバラツキがどうしても出てしまいます。
テクノロジーが進化した現代でも完璧に攪拌。と言うわけにはいかないのです。
そのため、アイソレートを測って摂取する以外はカンナビノイドの濃度は全て理論値になります。
初めてCBDグミをリリースした際、(CBDではない)グミを普段食べないのでその人気ぶりに驚きました。
いくつかのCBDグミが2年で大きく進化していく過程で、私自身も習慣として摂るように。
一般的にCBDにおいて、経口摂取は摂取効率が良くないとされます。
CBDグミが売れる理由は「美味しいから、簡単だから」といったことだけではなく、何か神経伝達物質が働いているに違いないと考えました。
神経伝達物質とは、ニューロンと細胞との間で信号を伝達する脳内の化学物質のこと。脳内で情報の運搬役として働いてくれています。
アナンダミドと2-AGに代表される内因性カンナビノイドも神経伝達物質の一つです。
数ある神経伝達物質の中で食事に関わる神経伝達物質として代表的なものが4つあります。
- 食事に関わる神経伝達物質
- セロトニン
- ノルアドレナリン
- アセチルコリン
- ドーパミン
これらの神経伝達物質は、相互で複雑に作用していることがわかっています。
4つの神経伝達物質を、簡単に解説。
特に、ドーパミンとCBDの関係にフォーカスしていきます。
セロトニン
セロトニンは幸せホルモンと呼ばれています。
肉、乳製品、卵、豆などのタンパク質を多く含む食品に含まれるトリプトファンから生成。
ポイントはバランスの良い食事をすること。
また、日光浴や規則的な運動をすることで活性化される神経伝達物質です。
夜にはメラトニンに変化し、安定した昼の生活と睡眠に重要な神経伝達物質。
なお、CBDはセロトニン1A(5-HT1A)受容体のパーシャルアゴニストであることが報告されています。
(パーシャルアゴニストとは。
受容体と相互作用し、全活性の細胞内シグナル伝達を引き起こす物質をアゴニスト(作動薬・作動剤)と呼ぶのに対して,アゴニストと拮抗的に作用してその作用を減弱させる物質をアンタゴニスト(拮抗剤)と呼びます。
CB1受容体のアゴニストが内因性カンナビノイドの2-AGやTHCになります。
アンタゴニストのなかでも受容体に作用、弱いながら部分活性を発現させる物質をパーシャルアゴニストと呼びます。)
さらに、CBGはセロトニン1A(5-HT1A)受容体の強力なアンタゴニストであることの報告も。
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5-HT1A受容体への親和性をもつセロトニンがしっかり働くことで、ストレス防御機構が活躍します。
ノルアドレナリン
ノルアドレナリンは、アドレナリンの前駆体である神経伝達物質です。
また、副腎髄質からホルモンとしても分泌されます。
ストレスを感じたときに交感神経を活発にさせる働きがあるのです。
例えば野生動物は捕食者に狙われると強烈なストレスを感じ、交感神経が活発になって戦う体勢になったり逃走をするといったような積極的な行動に。
前駆体とは、ある化学物質につき、その物質が生成する前の段階の物質のことを指します。
アセチルコリン
アセチルコリンは、卵や豆類ブロッコリーと幅広い多くの食品に含まれます。
隣接する神経細胞・筋肉などの細胞に伝達する神経伝達物質です。
やはり、記憶や学習・集中に役立ちます。また心臓や血管・消化管・気道の調節をする役割も。
ドーパミン
今回着目したいのは、このドーパミンです。実はオキシトシン・セロトニン・エンドルフィンおよびドーパミンはハッピーケミカルの異名も持っています。
先ほどご案内したノルアドレナリンの前駆体であるドーパミン。
心の機能(思考・感情・理性・意識・理解)に深く関わる神経伝達物質です。
例えば運動が出来るのは、ドーパミンが活性化して運動の指令が作動することがわかっています。
また、やる気や幸福感を得られることは特に有名です。
1958年頃まで、一般的にドーパミンはノルエピネフリンやエピネフリンの前駆体。ただその物質というだけ。
そのような位置づけで、体内で生理的な仕事に関わっている物質とは考えられていませんでした。
ドーパミンが不足すると、パーキンソン病を発病する原因になることを突き止めたのは大阪大学の佐野勇教授がきっかけです。
(人間の脳におけるカテコール化合物の分布。1959)
佐野勇教授は、大脳基底核でドパミン(ドーパミンのこと)が集中していることを発見。
翌1960年のパーキンソン病患者における、大脳の線条体にある黒質で作られるドーパミン含量の減少という発見に繋げたのです。
ここからドーパミンの重要性が判明してきました。
ドーパミンが発生する複数の要因
どうやら内因性カンナビノイド並み、あるいはそれ以上に必要だと考えられるドーパミン。
実は、大抵の物質と同じで多すぎても少なすぎても良くありません。
それによって様々な症状を生んでしまいます。
不足すればパーキンソン病や、精神疾患に。
過剰分泌されると、統合失調症や強迫神経症に。
今回関係してくるのは後者。
ドーパミンが過剰に放出されるメカニズム、それは多くの人が常にリスクに晒されています。
糖類によるドーパミンの過剰分泌
糖類の甘みはドーパミンを放出させますが、通常のドーパミン放出と違います。
食事で発生するドーパミンは、基本的に初めて食したもので美味しいものだった場合にのみ放出。
病気にならないよう注意を払うのを助けるために進化した機能であることがわかっています。
ドーパミンは通常、セロトニンが過剰分泌を抑えバランスをとって程よく放出されるものです。
ところが。初めてでもなければ美味しいか美味しくないかも関係なく、糖類を食べた時には食べれば食べるほどドーパミンが放出してしまいます。
バランスが取れず、次から次に糖類を欲するメカニズムが働くのです。
糖分をたくさん摂ると、
読んで字の如く、ドーパミンは脳の報酬系と言われる伝達物質に該当。
報われる気持ちになると同時に、摂取した余分な糖分の対処をするように体がシグナルを送ります。
膵臓にインスリンを放出せよ、というシグナルです。
そのインスリンは脂肪細胞に脂肪酸・グルコース・その他の高カロリーなものをすぐに蓄えるようシグナルを送ります。
この後恐怖の悪循環がスタート。
脳は燃料不足と判断し、急激な空腹を覚える
エネルギーを即補える糖分が欲しくなり、甘いものを食べる
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こうなるとドーパミンが過剰分泌される状態になります。
他にもドーパミンはアルコールを含むドラッグ、またニコチンなどを摂取する際には大量に分泌。
それは先ほどの悪循環と同様に、アルコールやニコチンを繰り返し摂取するようになります。
いずれも普通に生活していれば、陥ってしまいそうです。
常に意識をしておくことで、過剰分泌が防げるかもしれません。
他に防ぐ方法はないのか?
そこに、CBDの防御力に期待が出来る文献をいくつか見つけました。
ドーパミンは、CBDが働きかける場所と同じ脳内領域(中枢神経)でドーパミン活性を起こします。
CBDとドーパミンおよび内因性カンナビノイドの関係
内因性カンナビノイドであるアナンダミドは、ドーパミンの量を調整をすることが分かっています。
アナンダミド(arachidonoylethanolamide, AEA) とは、私達人間や脊椎動物全てに存在している体内で発生する内因性カンナビノイドです。
睡眠や鎮痛や食欲などに関わり、加えて快感の形成など心理や行動に深い役割を持っていると考えられています。
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CBDはアナンダミドのレベルを上げたり、アナンダミドの分解速度を遅めるなどの役割があるのです。
更に2019年の論文
(カンナビジオールはドーパミンD2High受容体のパーシャルアゴニストであり、その抗精神病薬の臨床用量を予測します)
では、CBDがドーパミンD2受容体のパーシャルアゴニストとしての役割が判明。
このテストではCBDが、ドンペルドンというドーパミン拮抗薬を阻害したとあります。
ここから見えてることはつまり、甘いものを食べても普段よりドーパミンの活性化を抑えられているということ。
つまりCBDと甘いものを摂ると、程よくドーパミンが発生することになります。
CBDグミがカプセルタイプよりも人気があるのは、CBDの働きによってちょうど良くドーパミンも発生させているからだということがわかってきました。
さらに驚くべきは、内因性カンナビノイドにドーパミン属が存在していることです。
第5の内因性カンナビノイド
今回調べている中で驚きだったのが、第5の内因性カンナビノイドと呼ばれる存在です。
その名もN-アラキドノイル ドーパミン(NADA)。
CB1受容体・CB2受容体および(TRPV1)イオンチャネルのアゴニストとして機能する内因性カンナビノイドです。
脳内に少しだけ存在する内因性カンナビノイドとして、21世紀になってから見つけられました。
合成方法が未だ不明な点はあるものの、ドーパミンが活性されている場所に多く見られることがわかっています。
末梢神経系と中枢神経系の両方で調節的役割を果たし、脳内で皮質ニューロンなどの保護作用と抗酸化作用があるのです。
分解方法については一部判明。
アナンダミドをアラキドン酸とエタノールアミンに分解する酵素 脂肪酸アミド加水分解酵素(FAAH)によって、アラキドン酸とドーパミンに分解することなどがわかっています。
アラキドン酸とは、様々な食品から得られる不飽和脂肪酸のひとつです。
ドーパミンとエンドカンナビノイドシステムは深く関わっているどころか、内因性カンナビノイドにもドーパミン属が存在していました。
まとめ
CBDグミは程よくドーパミンを放出させつつ、CBDとしてのメリットを享受できる一石二鳥の摂取方法であることがわかりました。
また、内因性カンナビノイドだけではなく数多の神経伝達物質が私たちの生活に深く関わっていることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
特に食事と深く結びつくドーパミンを知ることで、よりCBDを上手にウェルネスに使えることが見えてきます。
CBDをきっかけにして、自分の体を知ることでより健やかに過ごすことが出来るかも?