2020年の冬から急激に話題性が高まったのが、超レアカンナビノイドCBN。
これまでにもCBGなどのレアカンナビノイドがCBDとは違った薬効に注目、2019年頃に北米を中心にブームが始まり、スペインではTHC0%、CBG18%の品種作成に成功し、カナダのベンチャーが権利を買収するなど、一歩も二歩先を行く状態が続きました。
とてつもないマネーが流れ込み、アメリカではCBGに特化した会社が出来るほどでした。
CBGとは?
CBGとは? カンナビゲロール (cannabigerol) 人気の秘密
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さて現在のところ、CBNに特化した品種改良の成功について、正式な情報と言われるものは見られません。
但し、2020年からアメリカでも市場で大きな話題になっていることは確かです。
今も人気が向上し続けているCBDと新たに人気が高まっているCBNとはどういう違いが有るのか?
そして、カンナビノイドを研究する会社や医療機関も注目しているその理由とは?
目次
CBDとCBNの違い。摂れる量が違う
CBDはHEMPから摂れるカンナビノイドでは、2番目に多く摂れるカンナビノイドです。
かたやCBNは1%未満と摂るのが難しいとされていますが、THCの熱分解が進むとCBNになります。
実を言うとCBDやTHCよりももっと前に特定され、分離されていたCBN。
20世紀末にエンドカンナビノイド系が判明したものの、CBNの発見はなんと19世紀にまで遡ります。
しかしその研究自体は始まったばかり。
既に難治性癲癇の処方箋にもなっているCBDは1日2件も3件も論文が上がり急ピッチで研究が進んでいます。
反面、CBNは注目が集まっているものの研究不足は否めません。
欧米を中心にCBDのHEMPは広く生産されるようになり、レアカンナビノイドながら抽出可能なCBNは研究も市場利用も加速すると見込まれています。
CBDとCBNの違い。体内での働き方に違い
CBDとCBN。
どちらもHEMPから摂れるカンナビノイドの一種なのですが、実は体の中での働き方は全く異なります。
■CBD...CBDはエンドカンナビノイド、アナンダミドの分解速度を1/2にするとされていたり、TRPV1受容体(別名カプサイシン受容体、痛みの増強メカニズムに関わる)やセロトニン受容体に直接働きかけますが、CB1受容体やCB2受容体への直接的な働きかけはしないのです。
その為、何割かの人は体感を得づらく沈黙のリラクゼーションと言えます。
■CBN...CBNはカンナビノイドが形成される順序がTHCからのみで(THCA,THCV含む)、CBDからは形成されません。
その為、脳内を中心に存在するCB1受容体にも、体内至るところに存在するCB2受容体にも直接働きかけます。
かといって、THCが生み出す高い高揚感を生み出すことはありません。
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CBN製品が増えてきた2022年、お客様のレビューを見てもCBDとは全く違う反応をしている方が少なくありません。
脳内にあるCB1受容体への働きかけが、CBDを上回るキャッチーな感覚を得ると考えられます。
わかりやすさではCBNが上と言えるでしょう。
他にはどんな違いがあるのでしょうか?
CBDとCBNの違い。テルペンとの相性、後者のほうが上
カンナビノイドを語る上で、テルペンやミネラル・ビタミン等が豊富に含まれるHEMPとの相互作用アントラージュ効果について切り離すことは出来ません。
改めてアントラージュ効果とは何なのか。
HEMP全草からの抽出物には通常、CBDやCBN等その他400種類以上含有され、更にテルペン(あるいはテルペノイド)が200種以上存在が確認されており、これら化合物やテルペンが相互に働いて、個々の化合物の働きを助け合い高め合うことを指します。
つまり、単一のCBDを100ミリグラム投与するのと、全草から抽出されたCBDを100ミリグラム投与するのは同じことではないのです。
アントラージュ効果とは?
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その中で、カンナビノイドとテルペンだけに着目した場合。
CBDとテルペン、CBNとテルペンを比べた場合には、CBNとテルペンの相性のほうが良いとされます。
それはテルペンと様々なカンナビノイドを組合せ、毒性のある細胞にたいしての有効性を調べた時にわかりました。
テルペンの働きについての研究
2019年HEMPの世界最先端研究で知られるイスラエルでの論文。
一次植物カンナビノイドとテルペノイドの関係を特定するために、主成分分析を行いました。
結果としてCBN及びTHCとテルペンで最も強い相関関係を表したことを示唆しています。
本来この実験の意図は別のところにあります。
それぞれのテルペン及びそれぞれのカンナビノイドが持つ細胞死メカニズムについて相互作用がどの程度活性化されるかを測る。
それによって、テルペンとカンナビノイドの組み合わせの医療製品作成のために細胞毒性の有効性に変化があるかを調べたものです。
CBDとCBNの懸念されている部分に違いはあるのでしょうか?
CBDとCBNの違い。確認されている副作用、安全性
植物性カンナビノイドはまだ研究がされてから長い年月が経過していません。
それでもこの数年、特にCBDはホットな研究材料としてこれまでに4,000を超える論文が掲載されています。
既に処方箋にもなっていることから分かる通り、臨床試験も行われ安全性が高く世界中でブームに。
反面処方箋になる以上、副作用が必ず明記されております。
一部処方箋の副作用にはこのように記されていますが、実際に副作用が示された例は殆どありません。
( 肝酵素の増加、眠気、食欲減退、下痢、発熱、嘔吐、非常に疲れて弱い感じ、発疹、睡眠障害、感染症等)
また、CBNについてはこのような処方箋としての実績はほとんどありません。
副作用についての言及も見当たりませんが、現状CBNの研究がCBDほど多くないを示唆しています。
CBDの研究論文が4,000を超えるのに対し、CBNはまだ700を超える程度しかありません。
ところが、これからぐんぐんと増えていくと予想されます。
それはなぜでしょうか?
CBNに期待されること
研究についてはCBNの論文数を1とした場合、安全性はそれに準拠する
カンナビノイドやテルペンに最も期待されるのは医療的効果であることは疑いの余地がありません。
ポイントの一つに、カンナビノイドの中で医療効果も高いTHCの生む陶酔作用があります。
この作用をクリアにできない患者や子供たちに、医療効果を発揮しつつ陶酔作用がない。
あるいは、THCの陶酔作用には遠く及ばないことにCBNは期待されています。
例えば。
CBNはTHCの熱分解から生まれるため、CB1受容体への直接の働きかけによって一部緩和ケアなどに必須な食欲への期待がされています。
2021年にイギリスで行われたラットの研究では、CBNを摂取したラットは大幅に摂食行動が増加。CBDでは逆の作用を示しました。
また他にも、CBNは抗菌や神経保護、眼圧を下げること(緑内障への研究)。そして痛みの軽減、肝臓内でのCB1受容体への働きかけが強いことなどが確認され、経口摂取での大きな期待もあります。
この辺りの研究は、CBDでは薬効として確認されない部分も多くあります。
市場も研究を待たず、アメリカでは夜用のCBNオイルなどが流行。
ここ日本でもいくつかのCBNプロダクトが増えてきておりこれから様々な組み合わせの商品が出てくることが予想されます。
2021年頃から流行しているCBNプロダクトからみて、2022年の現在VapeManiaとしての見解はどうなのか?
CBNは眠りのカンナビノイド、とは言えない?
2017年、Steep Hill社がジアゼパム(ベンゾジアゼピン系の抗不安、鎮静・催眠、抗痙攣、筋弛緩、麻酔薬、鎮痛薬の増強作用が期待されるクスリ。日本ではアメルやタイホウなどとして販売される。)とCBNが遜色ない働きを示した。
と論文を発表し、市場では眠りのカンナビノイドなる言葉を使った過剰宣伝が誕生しました。
しかし、のちにSteep Hill社がコレを自ら否定。「いくつかの小規模な試験の出現により、鎮静剤の性質は観察されなかった」と述べています。(リンクは喪失)
但し、CBDとの組み合わせでは全く違ったものになるとの確信があります。
CBDとCBNを組み合わせたグミがいくつか販売されており、CBDを多めに入れているタイプのものでニーズの7割が睡眠でした。
とはいえ、カンナビノイドが直接睡眠に働きかけるのではないとされるのが科学的な見解です。
それを、二次的に睡眠を改善させる可能性がある。といった表現をします。
例えば、睡眠を阻害しているものが不安によるものであれば抗不安作用によって睡眠が改善される。といったことが”二次的”にあたります。
まとめ
CBNとCBDでは体内での働きかけに大きな違いがあり、またCBNはCBDより希少で簡単には摂ることが出来ず、研究もCBD程進んでいない点がわかりました。
しかしながらCBD同様、心身に働きかけるメリットは多く、大きなデメリットはまだ確認されていない状態であることがわかりました。
現在CBDもCBNも、日本において取り扱えるありがたいカンナビノイドのため、ご自身にあったものを是非試して選んでみてください。
引き続きVapeManiaでは様々なカンナビノイドの商品を手掛ける予定です。
CBDとCBN含有のグミや、CBNペン型カートリッジ等、人気商品もございますのでお好きなものを試してみて下さい。