VapeManiaでは、これまでに沢山のVape用CBDリキッド提案してきました。
CBDリキッドには、実に様々な作り方があります。
CRD(Crystal Resistant Distillate / クリスタル・レジスタント・ディスティレート)の名前をご存知でしょうか。
この1年ほど、CBDリキッドに適していると話題になっています。
こちらの記事ではCRDがどんな特徴を持っていて、他のCBD製品とどう違うのか。
CBDリキッドに最適な理由や魅力、反対にデメリットまでもを一気に追求していきます。
目次
CRDとは?
まず、CRDについての基本から見ていきましょう。
CRDは、Vape用のCBDリキッドを作る際に重宝され始めた抽出法の一つです。
CRDのCrystal Resistant Distillateを直訳すると、耐結晶化抽出物となります。
読んで字の如く、CBDが固まりにくい(結晶化しにくい)特性を持っている液体状のディスティレートCBDです。
液体の中のCBDが固まってしまう結晶化は、悪いことばかりではありませんが、場合によっては風味などの品質が落ちてしまうことがあります。
他のCBD抽出法との違い
CRDは、ディスティレートCBDやブロードスペクトラムCBDと比べると、いくつかの大きな違いがあります。
ディスティレートCBDは高濃度で純度が高いのが特徴ですが、結晶化しやすい点が課題です。
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またブロードスペクトラムCBDは、CBD以外にも植物由来の有益な成分を含みます。
ただし、抽出方法や保存方法によって、やはり品質が固まりやすいなどのデメリットがあるのです。
広義では、いずれもブロードスペクトラムCBDです。
CRDは、液体状のブロードスペクトラムCBDと言い換えることも出来ます。
CRDは品質が変化する課題を克服、高濃度で安定したCBDリキッドを提供することが可能なものを指します。
いくつかの方法がありますが、基本的にはとても気の長い作業が必須です。
最終的に、CBDを中心にカンナビノイドの濃度が高い状態を保つ液体状を目指します。
CRD製法では、最大で6ヶ月の時間をかけて蒸留することもあるようです。
蒸留の前にはまず、フルスペクトラム状態のCBDを抽出します。
この抽出には、超臨海二酸化炭素抽出が最も適しているでしょう。
HEMP由来の必須成分が全て含まれます。
日本の場合には、THC残留が気になるところですが、クロマトグラフィー(後述)を使って除去するのが一般的です。
次に、winterizationといった製法で不純物を除去するための作業を行います。
脂肪分などの不純物と、テルペンやカンナビノイドなどの必要部分を分離出来るよう撹拌、不純物が含まれているものは凝固。
その後24時間以上冷凍し、ペーパーフィルターを通過して溶剤と必要部分が残るようにします。
冷凍の時間はポイントで、短過ぎるとカンナビノイドの純度が低下するのです。
溶剤を除去するのには、ロータリーエバポレーターでアルコールなどの溶剤を完全に蒸発させるのが一般的。
エバポレーター
この濾過の工程を、何度も繰り返します。
この後、数週間〜数ヶ月かけて蒸留させていきます。
この手順によって、レアカンナビノイドとテルペンを残したままのCRDリキッドを作製。
COA(成分分析表)をみると高い濃度のCBDやレアカンナビノイド、テルペンなどが検出されていることが多いです。
クロマトグラフィー(混合物を分離、検出する分析法のこと)を使って成分を分析しますが、カンナビノイドやテルペン以外にも、検出されないレアカンナビノイドが含まれることが多々あります。
液体化されたCRD状のCBDに、レアカンナビノイドのCBGやCBNを追加することもあるようです。
溶剤を一切使わないとアピールする業者は、この部分のメソッドを公開しているところが1箇所も見当たりませんでした。(ほとんどの業者が溶剤や切削剤を使わないアピールをしていますが、製法を具体的には語りません。溶剤を使うところは丁寧に抽出方法を解説しています。)
いずれにしても、CRDは高濃度のカンナビノイドをリキッド状にすることがゴール。
高いアントラージュ効果を狙うのです。
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その上で、数ヶ月に渡って品質を保ちやすいものにし、使い勝手の良さを実現出来るものがCRDリキッドです。
結晶化しにくい
CRDで作られたCBDはリキッド状態です。
元の状態がアイソレートや固形状であるのとは違い、基本的に結晶化せずに液体を維持します。
CRDの製法は、数ヶ月という長い時間をかけて蒸留し液体化を維持する方法です。
結晶化しにくいと、どのような意義があるのでしょうか。
高濃度で、幅広い製品への応用が可能
CRDを使うと、高い濃度のCBDをリキッドに含ませることが可能です。
アイソレート状態のカンナビノイドよりも、CBD濃度の限界値が高くなります。
濃度を上げることで、さまざまなリキッド製品への汎用が可能。
幅広く、様々なニーズに応える製品を作ることができます。
CRDがCBDリキッドの新たな可能性を広げる理由
CRD抽出法の導入は、CBDリキッドの世界において、新たな扉を開いた。とまで言われています。
CRDがリキッドタイプの製品に推奨される背景には、ユーザー体験を重視した多くの理由があります。
お客様のダイレクトなフィードバックを知っている私達にとっても、注目するべき理由が盛り沢山でした。
品質の持続性
CRDを用いたCBDリキッドは、独特な結晶化しにくい特性によって、品質の持続性が向上。
これにより、リキッドの質感や風味が一定期間保持されるため、お客様はいつでも一貫した体験を享受できます。
環境変化に強い持続性は、製品の保存性を高め、長期間の使用においても品質の変化を最小限に抑えることができます。
幅広い用途への適応
CRD技術を採用したCBDリキッドは、高濃度であることに加え、その柔軟性により、様々なタイプの製品に適応しやすいという特長を持っています。
CRD製法ならばリキッド形状を維持することが出来て、様々な風味や濃度の調整が可能になるからです。
私達はCRDの可能性を見出して、これまでに無い展開のリキッドを作れるかもしれないと期待しています。
高濃度やあえての低濃度、多くのカンナビノイドを含んだパターンなど。
色々な展開することが出来れば、皆様にも喜んでいただけるはずです。
お客様は自分の好みやニーズに応じて、幅広い選択肢から理想的な製品を見つける未来が見えてきます。
利便性の向上
CRD製法によるリキッドの提供は、使用時の利便性を大きく向上させます。
結晶化のリスクが低いため、デバイスでのプレヒートや湯煎などが不要。いつでもすぐに使用できる状態を保つことができます。
この即時性は、忙しい日常の中でCBDリキッドを素早く手軽に楽しみたいお客様にとって大きな利点です。
ディスポーサブルタイプのような、電圧が強くかからないタイプのでデバイスでも使うことが出来ます。
環境への配慮
CRD製法は、生産過程で使用するエネルギーの効率性にも注目されているようです。
高度な技術を駆使してCBDを抽出することで、不要な廃棄物を減らし、より環境に優しい製品作りを可能にしました。
この持続可能なアプローチは、環境への配慮を重要視する現代の消費者にとって、重要な選択基準の一つとなり得ます。
デメリット
CRDは独自の抽出方法により、リキッド状態が保てる上に、高濃度CBDを含有したこれまでに無い展開の製品を作れることがわかりました。
ですが、そんなCRDにもデメリットがありました。
どんな弱点なのでしょうか?
新しい技術のため、業者が少数
新しい技術であるCRDを採用している製造業者は、2024年3月現在はまだ、多くありません。
市場で信頼出来るCRD製品の入手が難しい場合があります。
お客様へこれまでのリキッド製品同様にお届け出来るまで、少しだけお時間が必要です。
それに伴ったデメリットがもう一つ。
コスト高
新しい技術な上に、時間をかけて抽出する方法のため、普通のディスティレートやブロードスペクトラムタイプのCBDよりもコストがかかります。
より技術が進化し、これからも高いニーズが保たれていけばコストはいずれ下がっていくでしょう。
現在でも入荷が初めてみられた時期よりは、価格が下がっているところもあるようです。
まとめ
CRDは、特にVape用のCBDリキッド製造において多くのメリットがありました。
反面、生産コストや技術普及の速度など、まだ克服すべき課題も。
それでも尚、CRDの提供する利点は、これらの課題を上回ると考えます。
高品質なCBDリキッドを求めるお客様にとって、CRDは魅力的な選択肢となるでしょう。
今後、技術の進歩と市場の拡大により、CRD製品のコストは低減するとみています。
より多くの消費者がこの高品質なCBDリキッドを手軽に楽しめるようになるかもしれません。
また、CRDの普及には、規制の明確化と教育が鍵です。
2024年7月の法改正で、HEMPやCBDの扱いがより自由なものとしての方針が明確になれば、経済全体にも影響を与えられるポテンシャルを秘めています。
適切な規制が設けられれて正確な情報が共有されれば、CRDのポテンシャルを最大限に引き出すことが可能になるでしょう。
安定した品質・使いやすさ・経済性といった利点を通じて、お客様へ新たな体験を提供したいと考えています。
CRD技術は、CBD製品の未来を形作る重要な要素の一つ。
CRDがもたらす新たな可能性に期待し、その進化にご期待ください。