私達が日ごろ慣れ浸しんでいるカカオは、ご存知の通りチョコレートやココアの原料として使われています。
世界中にある植物のなかで、唯一HEMPのみに植物性カンナビノイドがあるのと同様、カカオにも他の植物にはない唯一含まれているとある成分がございます。
その成分は微量ながら、CBDとの相性が良くなる理由が隠されています。
調べていくうちに、麻に含まれる成分(カンナビノイド)や人間の体内で生成する神経物質にも関係がある事が分かりました。
その他にも沢山の身体に働く成分が含まれているカカオですが、その中でも特に注目されている栄養成分を細かくみていきます。
目次
CBD とカカオ、内因性カンナビノイドの不思議な関係
CBD とカカオには似ている点がいくつもあります。
それにはカカオを解剖する必要があります。
カカオの学名はTheobroma cacao(テオブロマ カカオ)。
ギリシャ語で「神の食べ物」
カカオは紀元前より珍重・利用され、歴史ある果実です。
一時は貨幣にもなり大変高価な物でした。
現在カカオは改良・技術を重ね甘く美味しい製品や高濃度カカオ等、日本含め世界中で愛されています。
- カカオ豆→カカオの木の種子
- カカオニブ→カカオ豆の胚乳を発酵、焙煎して砕いたもの
- カカオマス→カカオ豆の胚乳をカカオ豆の胚乳を発酵、乾燥、焙煎、磨砕(細かく砕きすり潰された状態)したもの
- カカオバター→カカオマスから抽出した脂肪分
- ココア→カカオマスからカカオバターを除去したもの
- チョコレート→カカオマス+カカオバター+砂糖+ミルク等を加えたもの
カカオは非常に栄養価が高く、
などを豊富に含んでいます。精力剤や薬にもなっていて、他のスイーツや嗜好品とは一線を画します。
ポリフェノール
ポリフェノールは植物が光合成により生成する物質で、種類は8000種類以上あると言われています。特にダークチョコレート(カカオマスに糖分を加えたもの)に多く含有。
(りんごの約4倍・赤ワインの約4.7倍)
カカオに含まれるポリフェノールで最も量が多いのはフラボノイドという種類で、特に強い抗酸化作用があり認知機能の改善も期待され研究が進められています。
このフラボノイドはHEMPにも豊富に含まれており、アントラージュ効果にも寄与します。
CBD による働きかけを昇華させるアントラージュ効果とは?
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他にも血圧低下や動脈硬化予防、ストレス軽減やリラックス作用への期待感から、健康や美容・アレルギーの改善と大注目の成分です。
カカオプロテイン
カカオに含まれるたんぱく質でホルモンの生成やエネルギーを作る働きかけを行います。
大腸に直接働きかけ、整腸作用へ期待。
テオブロミン
特にココアに多く含まれる苦み成分です。
脳内物質の幸せホルモンと呼ばれている「セロトニン」に働きかけるアルカロイドで、集中力を高め興奮させたり反対にリラックスへ期待。
リグニン
カカオに多く含まれる植物由来の食物繊維の一種で腸内環境を整えます。
他の食物繊維よりも体内で消化されにくく、便通に悩む方は積極的に摂りたい成分です。
メチルキサンチン
メチルキサンチンはカフェインの一種です。
実はカカオにはカフェインが微量含まれています。
量としてミルクチョコレートはコーヒー1杯の10分の1、ダークチョコレートの場合コーヒー1杯の5分の1です。
フェニルエチルアミン
フェニルエチルアミン(PEA,phenylethylamine,あるいは、フェネチルアミン,phenethylamin)は、恋愛ホルモンと言われている神経伝達物質の一種でチョコレートに微量含まれている事が分かっています。
フェニルエチルアミンはいわゆるやる気スイッチを起こすドーパミンや、ドーパミンが酵素分解する事により変化した交感神経が活発にはたらくノルアドレナリンの放出を促すとされます。
チョコレートが多くの人に魅力的に
仕事の合間や勉強中等、行き詰った時にチョコレートを食べるという事は理にかなっている様です。
※注意※フェニルエチルアミンは熱に弱く、カカオ豆を焙煎して作った一般的なチョコレートには入っていません。
また、血液脳関門を突破出来るかどうかがまだ論文化されていないことに加えて、チョコレートの約0.0006%にしか入っていない事、消化されやすいことにも注意が必要で、動物実験でのドーパミン放出やノルアドレナリン放出については、人間の身体では板チョコにして6,000枚が必要という計算にもなるのでチョコレートだけでは難しいかも知れません。
「CBD とチョコレートならローチョコ一択!?カカオニブとは?」に後述します。
GABA
トマトやなす、アスパラ等に多く含まれるアミノ酸の一種でカカオにも含まれます。
抗不安やストレス緩和・不眠症緩和等リラックス作用が期待されている成分で、私達の脳内にも存在。
成分そのままの名前でチョコレートが販売されていますが普通のチョコレートにもGABAは微量含まれています。
このGABAについてはあのカンナビノイドとも関係が深そう?
CBGとGABAの関係
CBGは麻の成分のひとつでレアカンナビノイドと呼ばれています(麻一株につき含有量が少ない)
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強い鎮静作用・抗炎症を期待・腫瘍の成長を鈍化・消化器官や胃腸への働き・痛みや関節痛の緩和・緑内障や神経保護・抗不安(うつ病)の研究が進んでいます。
カンナビノイド受容体(CB2)に直接作用、当然精神作用は生みません。
CBGはGABAの再取り込みを阻害する事が分かっています。
GABAなどの神経伝達物質はシナプス前終末から遊離(放出)され、シナプス後神経の受容体へ作用(結合)することで情報が伝達されますが、遊離された神経伝達物質の一部はシナプス前終末へ回収(再取り込み)されます。
シナプス前終末へ再取り込み(回収)されると、神経伝達物質の作用は減弱。
そこでこの再取り込みを阻害すると、神経伝達物質がシナプス後神経を刺激し続けるので、作用が増強します。
つまり、シナプス前終末から放出されたGABAの再取り込みを阻害すると、シナプス後神経のGABA受容体を刺激し続けることができるので、GABAの効果が増強されるのです。
CBGを含んだ製品を摂取しながらチョコレートを食べる事により、GABAの働きをサポートする事が期待出来ます。
トリプトファン
トリプトファンは必須アミノ酸の一つで、カカオの他バナナや納豆に多く、その他豆腐・納豆・味噌・しょうゆなどの大豆製品、チーズ・牛乳・ヨーグルトなどの乳製品、米などの穀類、ごま・ピーナッツ・卵等に含まれています。
トリプトファンは体内で生成出来ず食事から摂るしかありません。
日中は脳内でセロトニンに変化し、夜になると睡眠を促すメラトニンに変化します。
セロトニンは先述しましたが、 「幸せホルモン」と言われている神経伝達物質の1つです。
感情や気分のコントロール、精神の安定に深く関わりリラックスやストレスの軽減をつかさどってくれ、反対にストレスや疲労がたまると分泌が減ったり働きが制限されてしまいます。
セロトニンの分泌量は男性の方が多いと言われています。(女性の倍以上)
CBDaとセロトニンの関係
麻の成分のひとつでこちらもCBGと同じく希少なレアカンナビノイドと呼ばれています。CBDaのaはacid(酸)を意味し、加熱等により脱炭酸しすぐ、CBDになります。
CBDaは抽出が難しく研究が進められている段階で、急性悪心の減少や、THCと併用した場合吐き気を抑えたりする作用が期待されています。
その他にCBDaは”セロトニン受容体”へCBDと比べより強く結合して(とても簡単に言うと偽の鍵穴として結合します)受容体の機能を活性化する物質である事も分かっています。(アゴニストと言います)
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エンドカンナビノイドシステムにおいて、人体に点在するカンナビノイド受容体といいます。
それ以外にも色々な受容体が体内に存在します。
例えば目の場合、見えるのは視覚情報を受け取る受容体は網膜です。
同様にセロトニン受容体はセロトニンにより活性化される受容体です。
セロトニンを生み出すトリプトファンは、糖質、たんぱく質、脂質を代謝・分解する上で必要なビタミン(ナイアシン)の合成も行う大切な栄養素です。
毎日忙しく働く方や家事をこなす方…男女関わらず全ての方に積極的に摂取して頂きたい成分です。
エンドルフィン
セロトニンと同じく脳内でつくられる神経伝達物質です。
エンドルフィンはモルヒネを摂取する時と同じオピオイド受容体と結びつきます。
“脳内麻薬”とも呼ばれ、幸福感や鎮痛作用があるとされ免疫アップや脳機能向上も期待されています。
本能が満足すると分泌される物質で、体内では運動やストレッチ、食事をした時や温泉に入った時、性行為等が要因となります。
美味しくて甘い、脂肪分の多いチョコレートを食べると脳内麻薬エンドルフィンが分泌されると言われています。
CBD とカカオは、アナンダミドがポイント
CBDを販売する業者が、100%知っている神経伝達物質がアナンダミドです。
これは人間自ら生成する神経伝達物質のひとつで、内因性カンナビノイドです。
1992年にRaphael Mechoulam(ラファエルミシューラム)博士チームの、ルミール・ハヌシュ博士とウィリアム・ディヴェィン博士が発見。
アナンダミドは、arachidonoylethanolamideという名前から、当時ウィリアム博士がサンスクリット語に傾倒していたので「至福」、英語でBlissを意味するアーナンダから名付けられ、人間の全身に点在するカンナビノイド受容体に直接作用します。
人間の体内の調節機能やバランスを保つ、ホメオタシスの維持に活躍します。
なんとアナンダミドはカカオにも微量含まれている事が分かっています。
アナンダミドが含まれる食材はカカオただ一つだそうです。
非常に興味深いですね。
アナンダミドを含んだチョコレートと一緒にCBD製品を摂取する事によりカンナビノイド受容体の作用が活性化される事が期待出来るかもしれません。
アナンダミドの含有量は多くないとされており、とある論文ではCannabisと同じ作用を引き起こすとありますが、海外ではアナンダミドをサプリメントのように購入することが出来、ハイになることはありません。
構成する要素に、アラキドン酸というn-6脂肪酸があり、熱には弱いと考えられます。
CBD とチョコレートならローチョコ一択!?カカオニブとは?
ローチョコのロー(raw)は生と言う意味です。
普通のチョコレートはカカオ豆を製造過程で高熱を加えます。その為カカオの酵素や栄養は期待出来ない状態となっているそうです。
ローチョコは製造過程で高温加熱せずに、酵素が死滅しない47℃以下の低温で作るいわば「発酵食品」です。
ローチョコには砂糖を使用せずアガベという植物由来のシロップを使用している為(CBDfx CBDグミにも甘味料として使用されています)、安心した原料でカカオの豊富な栄養素が摂取出来ます。
新しくなったCBDfx CBD グミ。CBD25mgで大人気
2020年最大のヒットプロジェクト、CBD グミ。 毎日毎日、私が出社して手伝わなければ配送が間に合わない日が幾日もあるくらいの多様さでございました。 当店でもCBD グミを摂取するスタッフは少なく無 ...
ちなみに「フェニルエチルアミン」や「トリプトファン」、「アナンダミド」は熱に弱いので、CBDとこの物質を積極的に摂取する為にはチョコレートの場合、ローチョコ一択という事になります。
更に、カカオニブはカカオ豆の胚乳を発酵焙煎させ砕いたもので、チョコレートの様に糖分や乳成分を一切含まないカカオ100%で、ポリフェノールやビタミンやミネラル、たんぱく質を多く含みスーパーフード。
現在人気が急上昇中。
カカオニブは発酵焙煎させる時点で、高温で処理する一般的なカカオニブと、低温で処理する「ローカカオニブ」が存在します。
もうお分かりですね?カカオの栄養素をたっぷり摂取したい場合で、砂糖等を摂取したくない場合は、ローカカオニブ一択です。
先述した通り糖分を含まず甘味はゼロ。
お菓子やサラダ・グラノーラにかけて香りを楽しんだり料理のアクセントとして楽しむ方が多いようです。
まとめ
カカオには驚かされる事がとても多かったです。体に良いと言う事は何となくわかっていましたが、調べてみると、人間にとって重要な成分が多く含まれている非常に不思議で奥深い食材だという事に気付かされました。
栄養価の高いカカオは体調や心身の調整を行ったり、カンナビノイドと関連がある重要な成分や神経伝達物質アナンダミドが含まれているという驚きの事実があったりと…カンナビノイドに共通する部分があり、色々な事をお伝えしようとするあまり少し難解なコラムになってしまったかもしれません。
まだ謎が多い食材ですが、人間の肉体にも精神にも肝要な成分を多く含むまさに「神の食べ物」である事を実感しました。
(この記事はYuuが書きました。)