CBD製品のセレクトショップとしてVapeManiaを2017年新宿にオープンしてから、とても多くの方にご来店いただきました。
その中には、メディカルカンナビスを海外で使っていたり、医薬品としての大麻製剤を処方されていた方も数多く来店。
或いは、晩酌のような扱いでCannabisを使っていた人が、ルールの問題でCBDを代替として選ばれる人も少なくありませんでした。
5年目を迎え、CBD製品も数え切れないほど市場に出回り、業者もそれに比例して増えていきました。
お客様やユーザーがCannabisの代わりとしてCBDに求めている部分は、リンクするのか?
更にCBD以外にもCBGやCBNといった新たなレアカンナビノイドを軸にした商品も沢山出てきました。
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これらレアカンナビノイドも含め、Cannabisの代わりになるのでしょうか?
目次
CBDはCannabisとどう違うのか?
オープンの2017年初期から現在まで、吸引タイプのCBDをオススメすることが少なくありません。
当店では冒頭でCBDがハイにならない、キマらないことをハッキリと言うように意識しておりました。
ところが、これが営業していて最も意外だったのですが、それについて残念そうにされることは殆ど無いのです。
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それでも開店当初から、海外で経験の長い方や嗜好品として利用をしていた方であっても、CBDリキッドを多くの方にお買い上げいただいておりました。
その中には定番商品も。
人気の商品、フィードバックを確認していきましょう。
人気はCannabisフレーバー、KUSH等
海外が長いお客様には特に、品種・味については詳しい方ばかり。
取り扱い始めて気が付きましたが、既にテルペンの技術は相当高く、基本的に反応は良し。
「コレ合法です?」
「厚生労働省からも出されてるOK?」
そんなことばかりでした。
Pharma Hemp PREMIUM BLACK フルスペクトラムCBD500mg CANNABISフレーバーのレビュー
和み Nagomi ディスティレートCBDワックス O.G.KUSHのレビュー
その他にも味が美味しい、キック感が良い。 としてご利用いただき、リピート率もとても高いです。
ありがとうございます。
そういった事以外にCannabisへ求められることはどういったことでしょう。
Cannabisを求める方と現状
日本でのCannabisのイメージはよく有りません。
なぜなら、厳しい法律には懲役刑が設定され、行政はダメ絶対として大々的に発信、著名人は逮捕されればメディアの大半から袋たたきにされます。
ではなぜそのようなリスクを犯してまで、Cannabisを使うのでしょうか?
CBDを使わず、Cannabisを使う理由
CBDは今や伊勢丹にパルコにマルイに薬局にと、日本ではどこでも購入が可能で誰でも利用することが出来ます。
さらに医療大麻は世界各地で合法化が推進。
規制物質法という法律で、Cannabisを最も害がありメリットのない麻薬としているアメリカ等でも矛盾するように処方箋になっており、Epidiolex(癲癇へのCBDオイルのスプレータイプ)やSATIVEX(約THC1:1CBDの多発性効果症)は多くの方が治療薬として使っています。
更に、タイや東南アジア各国でも医療大麻の利用、合法化の検討が進み、使用罪もある厳しい法律を持つお隣韓国でも医療大麻は合法化。
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そして先進国の多くでは、大麻に対する厳罰化から脱却しつつあります。
例えばアメリカ合衆国憲法では厳罰を課される中、ハワイのエピソードをご紹介。
とある日本人がハワイ人家族の家でタバコを吸おうとした所、
「お前そんなカラダに悪いもの吸ってるのか?それならCannabis吸え。」
と言われたそうです。
全くCannabisに縁がなく暮らしてきた方でも
2.Cannabisには医療的価値があるようだ。
位の知識があり、自宅に遊びに行くくらいの信頼ある海外の友達から、カラダを心配されてフランクに薦められたら、断ることは出来るものでしょうか?
ここで試してしまったら、後は本人の性格次第で、日本に戻ってからも、海外で覚えた料理を日本で食べる感覚で、リスクが高まる方向(普段遣いしてしまう)へと進む事も考えられます。
本邦でも、CBDというオプションが出来たことを喜んでいただけることは少なくないのですが、なぜCannabisだけ吸うことを選ぶ人が少なくないのでしょうか?
Cannabisの特徴を振り返り検証してみます。
ハイになる
一つには禁止になっている理由にもされる、ハイになることが目的であるということは考えられます。
精神が高まるとは具体的にどのようなことなのか?メリットとデメリットに分けて確認してみます。
メリット
- 深く自分への洞察がなされる。
- 創造性が向上。
古くより世界中で民間に浸透していたCannabisは、いくつもの遺跡からも儀式で使われていた事が明らかになっています。
この場合はまさに、自分への洞察であったり創造性への向上が求められたものと考えられます。
デメリット
- パニックになる。
- 笑いが止まらなくなって腹筋が千切れそうになる。
- 平均して2時間程度ハイが止まらない。
精神作用は品種によって、また人によって、更に心身の状態により常に変化します。
人気品種のテルペンを使ったCBD製品が沢山有るため、その情報を取りに様々な海外メディアでレビューを見に行きます。
その中にはパラノイアになりかけているような感想も。
但し、ハイになりすぎて命を落とすことはありません。その点はどなたにも安心出来るでしょう。
副作用で死ぬことはないことが判明している、世界中で研究が進む医療用途についてはどうでしょうか?
疼痛緩和、制吐にアポトーシス、緩和ケア等医療用途として
世界中でほとんどの方が何かしらの痛みを抱えて生きています。
日本人を例に出すと、その割合はなんと80%。
MEDICAL CANNABISの最も利用目的で多いのが、疼痛緩和です。
疼痛緩和のためのCannabis
天然のTHCとCBDを約1:1の分量で作った製剤であるSATIVEXは、既に中枢性神経障害性疼痛の治療医薬品としてアメリカや欧州等で認められており、既に15年以上が経過。
しかし 前述の通り、アメリカ合衆国憲法では未だ規制物質法のスケジュール1(一般に認められた治療の為の医学的用途がない薬物。スケジュールの数字が若いほど価値を認めていない)に指定、これは厳しい刑事罰を含む麻薬としての取扱を意味します。
州法で合法な地域が沢山ありますが、そうではない地域の警察の対応は日本と同じかそれ以上の厳しさがあると言います。
大規模な調査の結果、アメリカ成人のうち6%の人が、痛み止めにCannabisを使いたいと答えている資料もみられます。
更には治療が困難な病気に対して行われる厳しい薬物治療の補完として使われますが、制吐(吐き気を止める)がその代表で、次いで食欲の快復等が期待されます。
制吐作用のあるTHC
大病をすると、食欲が失われることや薬物治療のために副作用で吐き気が止まらないことがあり、例えば患部が治っても免疫力がガタ落ちし、体力が低下。そういったことは少なくありません。
こちらは今アメリカで最もホットなカンナビノイド、Δ8-THCを使い制吐剤としての可能性が確認されたテストは25年以上も前、しかも相手は3-13歳までの子供8人。
ハッキリ言えば、この時点でTHCの副作用は殆ど無いと予測されていたということになります。
なぜなら結果的に殆ど副作用が出ず、制吐が完全に止まった為です。
そして最も熱心に研究が進んでいるのが、アポトーシス(Apoptosis)です。
カンナビノイドの働きによるアポトーシス
アポトーシスとは、細胞死のことです。
CBD NATIONにも登場した、テクニオン イスラエル工科大学の准教授 Dr.David Meiriは、様々な品種での細胞死について細かく研究しています。
先日非公式の場で、それを裏付ける談話を聞く機会がありました。
実際に治療の為いくつものCannbis品種を試したアメリカ人女性Sofia(仮名)は、日本では腫瘍を取り除くか、薬で対応するかまたは双方で治療をする難病に罹ってしまいました。
彼女は様々な品種や商品を処方され、カンナビノイドの配合だけではなく、テルペンのバランスなどによって患部の細胞の増減が変わることの実体験を語りました。
エビデンスではCBN多めの品種やオイルが良いとされている病気だったようですが、実際使ってみるとCBNが殆どなくTHCが少なめでCBDやミルセンが多い品種を使ったらうまくいった等、個人差もかなりあることがよく分かりました。
他にも緩和ケアで使う方が増えていることから、高い年齢層でもユーザーが増えていると考えられます。
緩和ケア
緩和ケアの目的としてQOL(クオリティー・オブ・ライフ:生活の質)を上げるためと定義づけられる中で、Cannabisの持つ向精神作用や食欲の改善、疼痛緩和等が実はピッタリだったりします。
以上のように様々なメリットがありますが、日本に限らず、世界でも医療機関で取り入れられている事はまだ少なく、テストも進んでいないのが現状。
他には睡眠の質を改善する目的が挙げられていますが、THCに限れば入眠へいい結果が出るものの、睡眠の質については反対の結果も出たりしています。[1]
この辺りはよく見られる、「眠れる」というCannabisのレビューとは少し異なりますが、御存知の通りCannabisにはTHCだけではなくCBDや他のカンナビノイド、さらにテルペンも含まれるので、一概には言えません。
ポイントはここにもあると思います。
THCがない場合のHEMPであっても、フルスペクトラムのCBD製品には同じように様々なカンナビノイド、テルペンが含まれている上、CBDには睡眠についてのポジティブな論文が見受けられます。
例:Cannabidiol in Anxiety and Sleep: A Large Case Series
アメリカでは2018年12月からTHC濃度が0.3%以下のサティバ品種であるHEMPを産業用大麻として取り扱い、規制物質法から除外しました。
以上の論文を比べると、フルスペクトラムCBD製品に挑戦してみるのは一考かと存じます。
他の医療的価値は、Cannabisではなく、CBD製品で置き換えられることは出来ないのでしょうか?
Cannabisの医療的価値はCBDに置き換わる?
Cannabisの医療用途はまだまだキリなく研究され続けています。
それ以上に、CBDの医療用途研究も馬力を持ったエンジンを積んで進んでいます。
ときに、CannabisとCBDの医療的価値を同時に研究されることも少なくありません。
上記のCannabisの医療的価値と比較していきましょう。
疼痛緩和
大きく取り上げた以上の医療的価値について、疼痛緩和はCBDやCBG、CBN等も積極的に研究され、痛みを感じる受容体であるカプサイシン受容体への働きかけ等が確認されております。
しかしこれは置き換わるというよりも、(THCとCBDの)相互作用はより良い。という結果。オプションとしてTHCが含まれるフルスペクトラムCannabisオイル等も選択肢としてあれば、それは歓迎すべきことでしょう。
制吐作用については、CBDaが、Raphael Mechoulam博士により、化学合成されたカンナビジオール酸メチルエステル(HU-580)が既に臨床試験の段階へ。
これは既にTHCよりポテンシャルが高いとの論文も見受けられます。[2]
CBDaとは?
CBDaとは?あの博士がCBDaの合成カンナビノイドを作成する理由
様々な薬の副作用において、辛い症状では、 吐き気 というものがあります。 製薬会社がCBDなど、カンナビノイドを深く研究するのには吐き気の抑制に関しての期待値があることもその一つの要因です。 その中で ...
残念ながらまだ市場にはなく、また天然のCBDaは酸化や熱が加わる等すると、簡単にCBDに変わってしまう特性があり、現状はCBDよりもTHCに一番期待出来ると言えます。
アポトーシス
アポトーシスは元来体内にて行われている生体行動で、簡略的に説明すると悪性細胞が自滅するメカニズムです。
しかし、それが機能せずに病気になることは皆様御存知の通り。
悪性細胞はときに一言でまとめられる病気になりますが、実は数え切れない様々な悪性細胞の形があります。
幾つかはCBDの活躍により、アポトーシスについてかなりポジティブな結果が見られています。[3][4]
他にも、イギリスでは診療医が驚きの体験を告白したエビデンスもあります。[5]
こういった体験記やエビデンスは、まだまだCBDを深く探求していく必要があることを示唆します。
最後は嗜好品として使われるCannabisの代わりになるのか?様々な角度から検証してみましょう。
CBDは嗜好品としてCannabisの代わりになるのか?
CBD製品ではハイになりません。
但し、ハイになるCannabisにも日本で禁止されているΔ9-THCだけではなく、日本でも合法的に使えるCBDにミネラル、ビタミンやテルペンも入っております。
ハイになることを求める人が嗜好品としてCannabisを使う、という説明ではどうやら短絡すぎるようです。
人はアクティブに活躍したいと思う反面、そのためのリラクゼーションを大切にしているのではないでしょうか?
既に世界中で、Cannabisだけを毎日摂取していた人が、CBDをあわせて摂取する生活をしている方が増加の一途。
では代わりになることは出来るのでしょうか?
リラクゼーションを求めて代替
結論、私が直接触れ合った方でも、CBDを代替に成功している人は多数いらっしゃいます。
但し、当店はまだ5年目。これから先も成功が続くかはわかりません。
これまでに成功した事例では、嗜好品のCannabisに最も求めていたものが、トレーニングの前に摂取する。
といったものだったり、仕事終わりのリラクゼーションに使っていたものを交代した。
と言ったタイプ。
また、アメリカで睡眠を求めて医療用大麻をディスペンサリーで購入していた紳士は、嗜好品としての価値をあわせて活用していたものの、日本にCBDがあり助かった。
として、3年に渡ってご購入いただいております。
ときに、「嗜好用がほしければ合法的な国へ行け。」
といったような突き放した意見が見られますが、人間誰しも生活、仕事があり、水や食事はCannabisよりも大切であることが殆どです。
トレーニング前、仕事後のリラクゼーション、トータル的な使い方をしていた方でも代替成功者がいます。
代替えCannabis利用の目的第一義がハイになる、である場合はやはり無理なのでしょうか?
ハイにならないCBDが代わりになるのか
ハイになると表現されることには様々な意味が含まれることを紹介しました。
結論、試してみたら「これで良いかも。」と、感じることは少なくありません。
ちなみに今コチラを読んでいる経験者の方は、ハイに慣れてしまう体験をしていると思います。
THCには耐性がつく。と言われるのは、シンプルに慣れのことです。
ハイによる脳内変化は言い方を変えれば、"刺激"と言えます。
この刺激などへの"慣れ=馴化は最も単純な学習。
これを内因性カンナビノイドとの関連で簡単に説明しているものが、東京大学のホームページにありました。[6]
クリエイティブな利用をするにあたっては馴化を防ぐために、スパンを空けたり、量を調節して使うアーティストも多いようです。
弊店以外にも、日本中で無料お試しの店舗は急増。以前は上野のVapeManiaしかなく、日本全国から来店がございました。
まずは店頭で、その後出来れば1ヶ月、CBD製品のみをお試しいただく。
カンナビス各品種のフレーバーも無限に登場中で、味わいやテルペンは良く、あとは使ってみていただいて、ご自身がCannabisに求めていたものがCBDで解決出来るかをお試しになってみて下さい。
ポイント
- 味わいは完全に再現
- Δ9-THC以外のカンナビノイドはほぼ合法
- CannabisとHEMPは同じ植物
まとめ
CBDはCannabisの代わりになることが、場合によってはあることがわかりました。
HEMPとCannabisは同じ植物で、それぞれ特徴的なカンナビノイドやテルペンが含まれています。
ご自身がなぜCannabisを使うのか?
と向き合い、その理由がCBDのポテンシャル発揮によって対応出来るかどうか、参考にしていただけたら幸いです。
CBDをCannabisの代わりにしたい人も、当店では応援しています。
参考文献
[1]出典:Cannabis,Cannabinoids,and Sleep:a Review of the Literature(大麻、カンナビノイド、および睡眠:文献のレビュー)
[2]出典:Evaluation of repeated or acute treatment with cannabidiol (CBD), cannabidiolic acid (CBDA) or CBDA methyl ester (HU-580) on nausea and/or vomiting in rats and shrews
[3]出典Cannabidiol promotes apoptosis via regulation of XIAP/Smac in gastric cancer
[4]出典Cannabidiol-induced apoptosis is mediated by activation of Noxa in human colorectal cancer cells
[5]出典:Striking lung cancer response to self-administration of cannabidiol: A case report and literature review
[6]出典:内因性カンナビノイドによる馴化の制御メカニズムの解明